あの場に居たひとは出演バンドの素晴らしいライブと熱いメッセージを受け取ったと思います。後生大事に保管してください。ちなみに一生忘れられないライブって結構ありませんか?私数えきれないほど沢山あります。
これって豊かなことだと思いませんか?
さて、
いくら言葉を尽くしても、あのライブの感動を伝えきることは出来ないので、私自身が感じたことをお伝えします。
今回のサタニックはシーンの強さと未来を改めて感じた年でした。
あの時感じた強さの源泉ってなんだろうと考えてみたところ、やはり「繋がり」だと思い知らされました。
このシーンでは横(バンドとバンド、キッズとバンド)と縦(世代)で縦横無尽に繋がっています。
ステージで起こっていたことにもこれを象徴するような場面が沢山あったかと思います。
そしてこの繋がりは熱い想いで強固なものとなっています。
しかも長い年月をかけて。
サタニックをやっている私はAIRJAM97、98はキッズでした。
気づけばサタニックを始めてから9年の歳月が経ちました。
今年は7年前にキッズとして遊びに来ていたKUZIRAがステージに立ち、高校生から遊びに来ていたキッズがスタッフとして運営を支えたりしていました。
若いバンドは積極的に新しい音楽性を表現し、Ken bandがStay Goldを演り、BRAHMANが前衛的な演出でトリを務めLOW IQ ICHIが客演をしました。
そしてその全てを受け止めた中堅のCrossfaithが同世代の仲間やHIPHOPカルチャーをもフィーチャーして大胆にフェスをジャックして締め上げました。
これらの光景をオジさんから赤ん坊までのキッズが目撃しました。
過去から現在そして未来が全て同時にカッコ良く存在している(進撃の巨人の「道」的な)。
ロマンしかないと思いませんか?
90年代から始まったこのシーンと呼ばれる何かは
もうすでに30年近い歳月を紡いでいます。
これは文化(カルチャー)と呼ぶにふさわしく、愛するに値するモノだと思います。
そしてこの文化はコロナに負けることはありませんでした。
ただ今なお「恐怖心」に苦しめられています。
ここからは未来のお話です。
今現在も我々は制限やルールを設け、
必死にこの大切な文化を守ろうとしています。
しかし、いったい何から守っているのでしょうか。それはコロナではなく「恐怖心」です。
野外での開催は少しでも安心して楽しんでもらうためでした。
現在、海外ではコロナ前と変わらないライブが行われていることを知っているひとは多いと思います。
日本と海外の違いを考えても
明確な理由は分かりませんが、海外のひとの多くがコロナを怖がっていないのは確かです。
ワクチンが供給されるまでは
重症化や死の危険が高く恐ろしいものであったと思います。
そんなコロナ初期段階にライブハウスでクラスターが発生し、
我々の大切な場所にレッテルが貼られシーンは徹底的にやられました。
やめたバンドマンやスタッフ、潰れたライブハウスもあります。
昨年、社会的な合意がなかったがために、あるカルチャー内では当たり前だったことをフェスでやったら炎上して、以降のフェスが軒並み中止に追い込まれました。あのフェスでは8000名の来場に対して調査委員会の報告では感染者は45名でした。
そして重症化したひとの情報は見当たりませんでした。(知っているひとがいたら教えてください)
ワクチンの供給が追いついていなかったとはいえ、
果たして去年あんなにもフェスを中止する必要があったのか、今でも疑問です。
なぜなら他のフェスでは適切な対策を講じるはずでしたから。
中止に追い込んだモノは客観的な事実や冷静な判断よりも様々な恐怖心が大きかったように思います。
そしてこの影響によって音楽業界やユーザーが自分達の大切なものを奪われるかもしれないという「恐怖心」を植え付けられました。
サタニックも例外ではありません。
企画段階では何かの判断ミスで大切な文化を潰されたり壊されるのが怖かったです。
しかし現在の重症化率(参考:新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識)
を見た時コロナそのものへの恐怖は薄らいでいます。
海外と日本の大きな違いはやはり「恐怖心」ではないかと思います。
今の日本の重症化率を正しく知っているひとって少ないんじゃないでしょうか?
ではこの恐怖心をどう払拭していけるのか。
一緒に考えていきたいと思います。
こうやって情報共有しながら、
もちろん仲間に無理強いはしません。
その上で来年のサタニックでは
モッシュ・ダイブ・声出しを禁止しないことを目指します。簡単ではないことは承知しています。
すべて実現できるかも分かりません。
またコロナ自体が怖いひとのため
あくまで私が思う少しでも安心して観れるスペースをライブエリアに設けます。
ライブエリアでのマスク着用は任意にすると思います。
それ以外では怖いひとのためにマスクを推奨します。そして何よりワクチン接種を推奨します。
あくまで今考えた内容なので変更することもあるでしょう。
皆さんが想像し易いように具体的に書いています。
濃厚接触の定義についても詳しく見ていこうと思います。
また感染していない、あるいは無症状である濃厚接触者をどこまで制限するのか。
今後、変わっていくと思うので政府や自治体の指針を注視していきます。
それでも怖いひとは
来るのを控えて見守ってください。
サタニックは続けます。
怖く無くなったら来てください。
誤解されたくないのですが、
感染者数を増やして良いとは思っていません。熱があるひとやコロナであると分かっているひとは当然来場をお断りするでしょう。必要であればチケットの払い戻しもします。
さらにスタッフやアルバイトにも理解と対策、同意が必要ですし、彼らを守る必要もあります。
そして何より来場する皆さんが、これを望まないと何のために目指すのか分からなくなります。
これまでは
どうなるか分からないから、
奪われるのが怖いから、
その時々の状況に対応出来るようにとサタニックを準備をしてきました。
来年は仲間と「恐怖」がなんなのかを正しく理解し、一緒に乗り越えていくにはどうすれば良いかをひとつひとつ確かめ合いながら目標を実現していきたいと考えています。
我々はもう充分に耐え、守りました。
これから徐々に反撃を開始していきましょう。
皆さんの意見を聞かせてください。
carnival@satanic.jp
無理はしません。ただベストを尽くします。
私たちは随分と潔癖症になってしまいました。
汗にまみれてリハビリしましょう。
最後にSATANIC CARNIVAL 2022の参加者そして協力してくれた全ての皆様、
本当にありがとうございました。
(I Hope) See You in the Mosh Pit Next Year.
プロデューサー I.S.O